下呂石とは、下呂温泉街の南に位置する湯ケ峰(1,067m)で採れるガラス質湯ケ峰流紋岩のことを呼びます。
昔、12万年ほど前に湯ケ峰が噴火した際に流れ出た溶岩が固まったものと言われています。
下呂石を割ると、割れ口が刃物のように硬くて鋭いことから、 旧石器時代から矢じりや石槍など石器の優れた材料として使用されており、東海・信州・北陸地方など広範囲で発見されていますが、ここ下呂では特にたくさん採れるようです。
この貴重な下呂石を求めて、全国から下呂に旅したと言われています。
下呂石を産出した湯ケ峰の山頂付近は温泉が湧き出したと推測され、「湯壷」といわれる跡が残されています。
峰一合遺跡のある縄文公園の近くの橋のたもとには、下呂石の塊をいくつも組み合わせて石鏃を表現した高さ約3mの「下呂石の碑」が建てられています。