下呂検定 温泉合宿体験記

下呂検定体験記 下呂検定であなたも下呂通

2008年に、第1回下呂検定が行われました。縁があり、参加してきましたので体験記として記事を残しておこうと思います。
ちなみに、ご当地検定であるこの下呂検定は、1年に1回行われていましたが、第6回で終わってしまったので、残念ながら今はもう受験することはできません。

下呂検定 温泉合宿会場

2008年下呂検定 温泉合宿は、「望川館」という旅館で開催されました。
地元では、とても注目度が高く新聞社やテレビ局が取材に来ていました。
まず、開講式ということで、下呂検定実行委員会会長と、下呂市長による挨拶の後、2日間の日程説明、講師説明が行われました。
スタッフの方は、とても親しみのある感じの良い方ばかりで、2日間気持良く過ごせました。下呂温泉の好感度がさらにアップした2日間でした。

【セミナー1】下呂の自然について

1つ目のセミナーは、「下呂の自然について」という題目で、森のなりわい研究所 代表の伊藤先生の講義を40分間受けました。
下呂市周辺のブナ林、照葉樹林、赤沼田の天保林などの森林の話題や、御嶽山、川上岳、御前山などの代表的な山の紹介、飛騨川、馬瀬川などの川の紹介、中山七里、巌立峡などの景観地など、下呂市の自然について幅広い講義をパワーポイントを使って分かりやすく行われました。
講師の伊藤先生という方が、とても話し上手で、とても聞きやすい講義でした。 普段は、森のなりわい研究所という団体で、森に関する調査研究をされているようで、野生動植物の調査や、景観デザインの設計提案、森林環境学習の企画運営支援などを行っています。

【セミナー2】温泉入浴法について

2つ目のセミナーは、「温泉入浴法について」という題目で、ミヤタスポーツクラブ・ウィング代表の宮田先生の講義を40分間受けました。
今まで、温泉にはよく行っていたけれども、温泉の入浴方法を勉強したことはありませんでした。 まず、温泉の3つの作用について学びました。

1つ目は、「温熱作用」。
湯の温かさが血行をよくして新陳代謝を促進し、老廃物を排出する効果が期待されます。
2つ目は、「浮力」。
温泉に入ると、浮力により体重は約10分の1となり、のんびり体を伸ばしているだけで、足腰が日頃の負担から解放される。
3つ目は、「静水圧」。
温泉に入ると、静水圧により体が数センチ単位で縮まり、マッサージ効果が血行を促進して、足の疲れやむくみをのぞき、肝臓や脾臓の機能を高める効果がある。

そのあと、入浴する際の正しい順序を学びました。
下記の順番に入浴するのが良いようです。

1、かけ湯
2、低温浴槽で半身浴(2~3分)
3、低温浴槽で全身浴(2~3分)
4、休憩
5、高温浴槽で半身浴(3~5分)
6、浴槽から出る
7、水分補給
8、休憩

特に入浴後の水分補給は、協調しておられました。
また、食後30分以上あけてから入浴することを推奨しておりました。
浴槽から出る際、シャワーを浴びて出るか、浴びずに出るかは、ポイントのようなので、温泉に入る前に必ず確かめる必要があるそうです。 
例えば下呂温泉のように単純泉の場合はシャワーを浴びずに出た方がよく、そうすることにより温泉成分の持続が期待できるようです。
逆に、草津温泉や玉川温泉のような酸性泉は、必ずシャワーを浴びて出ないといけないようです。

【セミナー3】飛騨街道散策

4つ目のセミナーは、「飛騨街道散策」ということで、下呂温泉の温泉街をみんなで歩きながら、学ぶというものです。 
講師を務めたのは、松尾一さんという方でした。
飛騨街道というのは、江戸時代に美濃~飛騨~越中を南北で結んでいた街道で、人の往来はもとより塩、米、魚介類などが運ばれ、飛騨にとってはまさしく生命線でした。
その飛騨街道が、下呂温泉の温泉街にあるのです。 
そこを松尾先生の解説付で散策するというわけです。
上の写真は、温泉寺の入口で力説する松尾先生です。
授業形式だけではなく、こうして散策を交えて学べるのは、とても有意義です。

【セミナー4】食文化について

4つ目のセミナーは、「食文化について」ということで、下呂温泉 吉泉館竹翠亭の社長 吉川俊行先生による講義が行われました。
藍綬褒章受章をされているとてもすごい方ですが、偉ぶる様子もなく、礼儀正しく上品な方でした。
一番印象に残った話は、旅館に出てくる料理は、量が多すぎるということ。 
日本料理は、豪華でも一汁七菜ぐらいがちょうど良いということ。 
家では一汁三菜が良いということです。
また、旅行の楽しみは、その土地の食文化にあり、それぞれの土地の産物、特に旬の素材を食べる地産地消の考え方が大切であることを教えてくれました。
ここ下呂温泉では、飛騨牛、夏秋トマト、ホウレン草、ぶなしめじ、馬瀬川の鮎が美味しいとのこと。 ぜひ味わってみたいものです。

懇親会

懇親会 兼夕食は、旅館の大広間で行われました。
上の写真(おしながき)にあるように、とても豪華で、8000円という格安さを感じさせないものでした。 しかも、お座敷芸も披露していただきました。 
下呂検定のテキストにもお座敷芸のことが書かれていたのですが、実際どんなものか分らなかったので、生で見れて、どういうものかよく分りました。

刺身、焼き魚、茶碗蒸し、鍋 →美味しそう!
後から、天ぷらやごはんなど、どんどん料理が出てきて、全部食べきれませんでした。

下呂温泉とラベルに書かれているビールです。

お座付き「松竹梅」「梅は咲いたか」「藪のうぐいす」「新調下呂小唄」

合宿参加者も混じって、お座敷芸をやることになりました。
お座敷芸は、「蒸汽は波の上」、「ぎっちょんちょん」、「トラトラ」、「さくらさくら」というものでしたが、今まで触れたことのない文化で、新鮮でした。

【セミナー5】下呂温泉の歴史・文化について

セミナー5は、下呂温泉の歴史・文化ということで、水明館社長の滝多賀男さんという方でした。
水明館というのは、下呂温泉の旅館の中でも老舗。 憧れの旅館です。
そんな旅館の社長さんから講義を受けれるなんて幸せです。
下呂温泉の源泉は、昔 各旅館で掘りまくって、各旅館が好きなように温泉をくみ上げていたそうです。 しかし、昭和40年頃、宿泊客が急増し、温泉使用量も急増した為に、温泉の安定供給に不安が出てきました。 
そこで、昭和46年に集中管理事業を着手し、昭和49年に集中管理システムがスタートした。
このとき、38本あった源泉井戸を19本に減らしたそうです。
また、旅館の宿泊者が、年々減少傾向だそうです。
ピークは、平成2年~4年頃で、年間165万人ほどの宿泊者がいました。
しかし、今では110万人程度です。
名古屋方面から高山に行くのに、東海北陸自動車道が開通して、しかもその道路の通過位置が下呂からかなり離れているため、高山のついでに下呂に立ち寄るということがなくなったそうです。
高速道路が出来る前は、下呂を通る国道41号線で高山に行く人もけっこういたので、高山の帰りに下呂温泉に立ち寄ることも多かっただろうに。。。

昼食

昼食は、お弁当が支給されました。
とても豪華なお弁当で、おそらく1000円以上するかと思います。
内容は、下の写真の通りですが、見ての通り、とても豪華で、しかも健康的に薬膳料理を用意して下さいました。

内容も地元で採れた野菜や飛騨牛などの名産を使っており、とても美味しく頂きました。 
お弁当を配るときに、業者さんがおしながきの説明もしてくださったことも好印象でした。

下呂検定 試験

いよいよ下呂検定試験です。 
社会人になって、試験というものをしばらくしていなかったので、妙に緊張します。
下呂検定の制限時間は60分で、50問が出題されました。 
この第1回目の下呂検定では、240名が受験して、98名が合格したそうです。
どのような問題が出るか、参考までに何問か抜粋します。
合格ラインは7割なので、下記の10問中7問正解出来れば、合格できるかも!?

第2問 下呂市の木として制定されているのは次のどれですか
     1)いちい 2)ひのき 3)もみじ 4)さくら

第4問 JR下呂駅まで、特急列車で乗り換えずに直行できるJRの駅は次のどれですか
     1)大阪駅 2)金沢駅 3)松本駅 4)浜松駅

第5問 下呂市内には、JR高山本線の駅がいくつありますか
     1)6つ 2)7つ 3)8つ 4)9つ

第13問 市内にある次の温泉のうち、アルカリ性単純温泉ではないものはどれですか
     1)下呂温泉 2)乗政温泉 3)飛騨川温泉 4)南飛騨馬瀬川温泉

第23問 市内にある滝で、滝の水に削り取られた溶岩が銅色であることから
      名付けられた滝は次のどれですか
     1)あかいわとよ 2)あかいしとよ 3)あかがねとよ 4)あかねのとよ

第28問 秋には100本を超える5種類のモミジが境内を染めることから、
      別名「もみじ寺」と呼ばれ紅葉の名所となっている市内の寺は次のどれですか
     1)温泉寺 2)禅昌寺 3)玉龍寺 4)桂林寺

第33問 国の重要文化財に指定され、飛騨路に春の訪れを告げるといわれる
      「下呂の田の神祭り」で、祭りの主役となる「神主」の呼び方はどれか
     1)タタ 2)チチ 3)ツツ 4)テテ

第37問 下呂温泉街にある「湯の街ギャラリー木精」に常設してあるものは
      次のどれですか
     1)絵手紙 2)狛犬 3)押し花 4)版画

第38問 下呂発温泉博物館は、温泉を二つのテーマから紹介する全国でも珍しい
      温泉専門の博物館です。 では、二つのテーマとは次のどれですか。
     1)泉質と体感 2)科学と文化 3)文化と歴史 4)効能と泉質

第49問 下呂地方の方言で、「あいまちせんように、ためらいないよ」と言ったら、
      その意味として適当なものは次のどれですか
     1)互いに遠慮せず、躊躇することのないように
     2)怪我をしないように、体に気をつけて
     3)寄り道しないように、まっすぐ帰って
     4)無駄遣いせず、節約しなさい

-解答- 
第2問 3)もみじ
第4問 1)大阪駅
第5問 3)8つ
第13問 2)乗政温泉
第23問 3)あかがねとよ
第28問 3)玉龍寺
第33問 4)テテ
第37問 4)版画
第38問 2)科学と文化
第49問 2)怪我をしないように、体に気をつけて

最後に

ハッキリ言って、すばらしい下呂温泉として、すばらしい取り組みだと思いました。
体験した一人として、断言できます。
おそらく、この合宿に体験した人は、リピーターとして、また来年も普通に宿泊で戻ってくると思いました。 それぐらい下呂温泉のファンが増えるイベントになっていると思います。

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